持ち運びに便利なUSBメモリ。使い方もパソコンに差すだけという手軽さ!
ついついデータの保存をUSBメモリだけに頼ってしまいがちですが、実はその保管方法はデータ消失の危険があります。
データの保管場所は、USBメモリ1つだけじゃだめなの!?
一時的な記録媒体であるUSBメモリは必ず別の保管場所にバックアップをとると共に、紛失を避けるために専用のケースに入れて持ち歩きましょう。
今回はUSBメモリの特徴と、データ消失を回避するための正しい保管方法を分かりやすくまとめました。
記事の後半ではデータの長期保存にはUSBメモリが向かず、光ディスクが適していること、USBメモリには寿命があることの説明をしています。
USBメモリについて理解を深め、正しい保管方法で大切なデータを守りましょう。
USBメモリの保管方法はバックアップとケースが必須!
あなたは大切なデータをUSBメモリに保存しただけで、満足していませんか?
USBメモリはたくさんのメリットがあるため、多くの方がデータの保存方法に使っているメディア(=記憶媒体)です。
- 小さいので持ち運びに便利
- たくさんのデータを保存できる
- 機器に差し込むだけなので簡単
- 衝撃に強い
- コンビニでも買える
- 低価格で買える
しかし、USBメモリは「簡易的な記憶媒体」です。
一時的なデータ保管場所なので、メインのデータ保管場所を別に用意し、バックアップをとっておく必要があります。
データを複製し、問題が発生した時に復旧できるように備えること
また、本体紛失や衝撃によるデータ破損を防ぐため、USBメモリはそのまま持ち歩かず、専用ケースに保管することをおすすめします。
【バックアップ】データ消失に備える
便利で簡単だから、仕事の資料はUSBメモリに保管しているの
あれ?データがない!
USBメモリは精密機械なので、様々な要因で突然データが消失してしまう恐れがあります。
【データ消失の一例】
- 何度も書き込みと消去を行う
- 作業中にUSBメモリを抜き取ってしまう
- 停電してデータが破損した
- 長期間USBメモリを放置していた
そのため、USBメモリ内のデータが消失しても復元できるように、必ずバックアップをとることが必要です。
どこにバックアップをとればいいの?
バックアップデータの保管には、主に2つの方法が使われます。
- USBメモリ以外のメディアにバックアップをとる
- クラウドストレージを利用する
最近のパソコンは、自動でデータを保存してくれるバックアップ機能がありますが、念のため手動でこれらの方法を行うと安心です。
1.USBメモリ以外のメディアにバックアップをとる
メディア(=記憶媒体)はUSBメモリ以外にも種類があります。代表的なものは以下の通りです。
メディア | 種類 | 特徴 |
---|---|---|
光ディスク | CD-R、RW DVD-R、RW BD-R、RW | ・パソコンのドライブに挿入し利用する ・Rは1度だけ、RWは何度も書き込める ・記憶の書き込みにレーザー光を利用している |
フラッシュメモリ | USBメモリ SD/SDHC/SDXC | ・USBメモリは端子に差し込むだけで利用できる ・SDカード系は挿入するスロットがついていない機器がある ・高速に書き込み・消去できる |
外付けハードディスク | ポータブル型 据え置き型 | ・機器とハードディスクを端子で接続して利用する ・容量が大きく、多くのファイルを記録できる ・価格が高い |
データの保管場所は1つ2つでは心もとないので、いくつかのメディアに保存しておきましょう。
データを入れる作業や、入っているデータを取り出す作業を行ってくれる機械のこと
2.クラウドストレージを利用する
クラウドストレージとは、インターネット上に設置されたデータの格納庫です。
オンラインストレージ、オンラインファイルサーバーとも呼ばれています。
クラウドストレージはUSBメモリなどのメディアを使用しなくても、データの保存ができることが特徴です。
よく使われているクラウドストレージのサービスは、以下の3つです(2022年4月現在)。
サービス名 | 無料容量 |
---|---|
Dropbox | 2GB |
One Drive | 5GB |
Googleドライブ | 15GB(GmailやGoogle Photoの容量も含む) |
個人向けのサービスが多かったクラウドストレージですが、最近では企業向けのビジネス版も登場しています。
リモートワークやテレワークが増えてきている今、クラウドストレージのニーズは高まっています。
- 複数人が同じフォルダにアクセスできる
- 文字化けせず、ダウンロード期限がなく、アップロードが早い
- オンラインならどこにいてもパソコン、スマホ、タブレットなどでデータを取り出せる
同時に情報を共有できるから、オンラインミーティングで大活躍!
ただ、オフラインの時やサービス提供会社に問題が発生した場合は利用できません。
大事なデータは、オフライン時でも使用できるUSBなどのメディアにも保管しておく必要があります。
【紛失や衝撃防止】専用のケースに入れる
本体自体の紛失や衝撃を防ぐために、専用の入れ物を用意することも必要です。
100均のセリアに専用ケースがあると聞き探してましたが、残念ながら私の近所の店舗にはありませんでした。
ならば、他の100均はどうだ?とダイソー、キャンドゥも回ってみましたが、置いてなく…。
どうやら USBメモリの専用ケースは置いてある店舗とない店舗があるみたいです。
確実にケースを手に入れるには、オンラインショップを利用するといいですね。
これから紹介する2つの商品は、オンラインショップで入手できるUSBメモリの専用ケースです。
ケースを用意しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
衝撃緩和にはクッション性のある素材のケース
個別に仕切りがついているタイプは、ケース内でUSBメモリ同士がぶつかる心配がなく、柔らかな素材は外部からの衝撃を緩和してくれます。
無駄のないコンパクトなサイズなので、鞄に入れてもかさばらないのが良いですね!
紛失防止にはキーホルダータイプのケース
USBメモリは1、2本しか使わない方には、キーホルダータイプがおすすめ。
わざわざ大きなケースに入れなくても、鞄に付ければ紛失の心配がなく、邪魔にもなりません。
USBメモリを探す手間も省けて、とても使いやすいタイプです。
USBメモリでの保管は長期保存不可?情報は光ディスクへ
USBメモリはデータの長期保存に向いていないことはご存じでしょうか。
USBモリは内部に電子を保持しており、この電子がなければ情報を記録することができません。
しかし、保持している電子は少しずつ自然に漏れ出し、長い間電気を通していないと電子が減少、記録した情報を持ち続けることができなくなります。
だから長い間放置すると、データが消えてしまうのね…
そのため、USBメモリはデータの長期保存に向かず、あくまで一時保存用の保管場所なのです。
電気を帯びた非常に小さな粒のこと
じゃあ、写真や動画はどう保管すればいいの?
データの長期保存には光ディスクやクラウドストレージが適しています。
しかし、光メディアに長期保存する場合は故障や劣化のリスクがあるため、複数の媒体にデータ保存することが必要です。
また、5~10年周期で新たなメディアへと複製保管し続けることも必要です。
クラウドストレージに長期保存する場合も、サービス提供会社に問題が発生する場合があるので、別媒体にもデータを保存しましょう。
光ディスクが長期保存に適している理由は3つ
光の反射によりデータの書き換えを行う記録メディアを、光ディスク(光学ディスクとも)と呼びます。
音楽アーティストが出すCDや、レンタルビデオ店が扱っているDVDやBlu-rayも光ディスクです。
光ディスクのメリット、デメリット
そんな光ディスクがデータの長期保存に適している理由は主に3つ。
- 水、静電気に強い
- 光ディスクを読み込むドライブが壊れてもデータを失わない
- 書き込み専用の光ディスクはデータ改ざんができない
これらは他の記憶メディアにはない、光ディスクが持つ特徴です。
1.水、静電気に強い
光ディスクは他の記憶媒体と違い、水に濡らしてもデータを読めなくなることはありません。
また、静電気によって壊れることもなく、適切な環境で保管すれば5~20年は安心してデータを保持することができます。
故意に傷をつけたり、加熱したり、破壊したりしなければ、記録されているデータを読み出せないということはないのです。
2.光ディスクを読み込むドライブが壊れても、データを失わない
光ディスクはUSBメモリやハードディスクと違い、読み書きを行うドライブとメディア(光メディア)に分かれています。
光ディスクにデータが保存してあるため、ドライブが壊れてもデータを失う危険性はありません。
ドライブが壊れた時は家電量販店やネット通販などですぐに入手することができます。
3.書き込み専用のディスクはデータ改ざんができない
CD-RやDVD-Rなど、「R」とついているものは、1度記録したデータは消すことができません。
基本的にデータの改ざんが行えないため、安全性が高く、データの保存用媒体として優れています。
【光ディスク】100年以上保存が可能なM-DISC
データを長期間安全に保管したい場合は、光ディスクの中でも「M-DISC」というメディアの活用をおすすめします。
メディアの寿命は私たちが思っている以上に短く、その耐久性は環境や使用状況にも左右されます。
その中でも、M-DISCは100年以上にわたってデータを保存できるとされています。
引用 IO DATA
【M-DISC】経年劣化がしにくく耐久性に優れている
M-DISCとは耐久性を高めたDVDやBDであり、外見も同様の形状をしています。
- 特許を取得した劣化しにくい金属系の独自素材を使用
- 強力な表面保護層により光や熱、湿度などの環境変化に強い
- 一度の書き込みしか行えないため、上書き保存が不可能
- データの書き込みのみ、専用のドライブが必要
失いたくない家族写真や企業の書類は、長期保存に適したM-DISCを活用してみてはいかがでしょうか。
USBメモリでの保管は寿命に注意!書き込み回数が重要!
USBメモリの寿命は一般的には約10年と言われています。安価なUSBメモリだと、2~3年しか使えないものもあります。
そんなに短いの?半永久的に使えると思ってた!
USBメモリの寿命は書き込み回数によって決まり、頻繁に使えば寿命は短くなり、あまり使わずにいると寿命はながくなります。
【3種類の記録方式】USBメモリの寿命の違い
USBメモリのようなデータを書き込んだり読みだしたりすることができる記憶媒体を「フラッシュメモリ」といいます。
フラッシュメモリには主に3種類の記録の仕方があり、それぞれ寿命と書き込みができる回数が違います。
記録方式 | 寿命 | 書き込み回数 |
---|---|---|
SLC(シングルレベルセル) | 約10年 | 約10万回 |
MLC(マルチレベルセル) | 7~8年 | 1~3万回 |
TLC(トリプルレベルセル) | 2~5年 | 約5000回 |
USBメモリの寿命はデータの書き込み回数によって変わるので、読み込むだけなら基本的に寿命は変わりません。
しかし、寿命を迎えなくても外部からの衝撃など、データ消失の要因はたくさんあります。
USBメモリ1つだけにデータを保存しておくのは避けましょう。
【寿命の前兆】症状が出始めたら別媒体に保管する
USBメモリは寿命を迎えるといきなり使えなくなるということはあまりありません。
たいていの場合はデータの書き込みや読み込みに支障が出始めるので、症状を感じ取ったなら、別のメディアに保管しましょう。
寿命が近い症状
- 保存データの破損
- 読み込めるが、書き込めない
- USBメモリにアクセスできない
保存データの破損
最初に確認されるのが、USBメモリに保存していた画像や文書が正常に読み込めないケースです。
- 画像が灰色
- 文字化け
- 一部データの消失
- アクセス不可
これらの症状が見られた場合は、その他のデータは通常通りアクセスできる可能性が高いです。
USBメモリに寿命が来る前に、無事なデータをバックアップして保管しましょう。
読み込めるが、書き込めない
一般的には書き込みができない不具合が先に発生する場合が多く、後に読み込みもできなくなると、USBの寿命はかなり近いと言えます。
USBメモリにアクセスできない
USBメモリに完全にアクセスできないならば、すでに寿命を迎えている状態です。
データは失われているので、手の打ちようがありません。
初期症状が出ているうちにデータを別の場所に保管し、対処しましょう。
【寿命の確認】診断テストと診断ソフト
具体的に、あとどれくらい使えるか知りたいわ
USBメモリの寿命を確認する方法は、診断テストと診断ソフトの2つあります。
診断テスト
寿命の診断テスト機能があるUSBメモリと診断チケットを購入し、メーカーに送ることで2週間ほどで予想診断結果を受け取ることができます。
診断ソフト
寿命の診断ソフトをダウンロードし、テストを行うことで確認することができます。
信頼性の高いフリーソフトは「Check Flash」です。読み込みと書き込みのテストを行い、エラーチェックをしてくれます。
海外製のソフトなので通常は英語表記ですが、ダウンロードをしてファイルを開くと日本語でも表記されます。
診断後はUSBメモリ内のデータは全て消えてしまいます。ソフトを使用する前に必ずバックアップをとりましょう。
USBメモリの寿命が気になる方は、是非お試しください!
まとめ
- USBメモリはたくさんの人が使っている便利な記憶媒体だが、データ消失のリスクがある
- 複数の別媒体にバックアップをとること、USBメモリ専用のケースに入れて持ち運ぶことで、データ消失のリスクが減る
- 長期間放置すると保持している電子が漏れ出していき、記録を保つことができなくなるため、USBメモリはデータの長期保存には向かない
- 長期保存に適しているのは光ディスクであり、中でも「M-DISC」はおすすめ
- USBメモリには寿命があり、データの書き込み回数によって寿命が変わる
- 寿命がきて、突然データが消失するということはないので、症状が軽いうちにバックアップをとっておこう
USBメモリはとても便利なメディアですが、その分データ消失のリスクもたくさんあります。
一度失ったデータはとり戻せないので、必ずバックアップをとり、データ消失のリスクを回避しましょう!