あなたは予測式体温計を使ったとき、平熱よりも数値が高めに出ることはありませんか?
予測式の数値が高めに感じる理由は、実測式で測って正しいと思っていた平熱自体が、低く測定されていたためです。
実測式には正しい測り方があり、その方法から外れてしまうと数値が上がらず、実際よりも低い検温値が出てしまいます。
予測式体温計の誤差は±2℃と定められており、ほぼ正確に測定できるため、原因は体温の基準としている平熱の測り方にあると考えられます。
予測式体温計で高めの数値が出て疑問に思ったときは、本記事で説明している「実測式の正しい測り方」で改めて平熱を確認しましょう。
記事の最後には便利な予測式・実測式兼用タイプの電子体温計の紹介もしているので、体温計を購入する際はぜひ参考にしてくださいね。
体温計予測式が高めな値の原因は平熱!精度は問題なし
近頃は体調不良の時だけでなく、日々の体調管理のために体温を計測する機会が増えましたね。
計測に必要な体温計には「実測式」と「予測式」の2種類があり、検温時間が短い体温計を「予測式体温計」といいます。
数十秒で測れる予測式体温計は、測る時間がない時や、じっとしているのが難しいお子さんを測る時にとても便利な体温計です。
時間短縮にはいいけど、使ってみたら平熱より高めの数値が出たわ。
測定時間が短いから、精度が良くないのかしら?
予測式体温計の誤差の範囲は±0.2℃と定められており、ほぼ正確な体温を測ることができるので、精度はとても良いといえます。
じゃあ、なぜ予測式の体温計は数値が高いの?
予測式体温計の数値が高めに感じる理由は、実測式で測った平熱の検温値が正しくないことが考えられます。
実測式の体温計は、測り方によっては大きな誤差が出る場合があるのです。
【実測式】測定方法によって低い数値が出る
あなたが予測式体温計の数値が高めに感じる時、比較するものは実測式で測ったときの平熱でしょうか?
実測式体温計は正しい測り方でないと、検温値が低めに出てしまう可能性があります。
実測式体温計の測り方のポイント
- 測定部位(ワキや口)を閉めて平衡温にする
- 検温時間は10分以上かける、または電子音が鳴るまで測る
十分に温め、身体の内部と同じくらいの温度になった状態のこと。
身体が冷えた状態で測ったり、計測時間を早めに切り上げたりすると、数値は上がらなくなり、正確な体温が測れなくなります。
そのため、低めの検温値が平熱となり、正確なはずの予測式の数値が高いと感じてしまうのです。
実測式で体温を測るときは、時間をかけて正しく測定しましょう。
【予測式】誤差の範囲は±2℃以内の高性能
引用 オムロン
予測式で体温を測ると、誤差が出るって聞いたわ。
予測式体温計は内臓されている多くの人の統計データをもとに、10分後の体温を計算して予測していますが、僅かな誤差が出る場合があります。
じゃあ、正確に測れていないってこと?
JIS(日本産業規格)では「予測式体温計の精度は表示温度の±0.2℃以内に被験者の95%の実測値が収まること」と規定されています。
国内の体温計は、すべてJISで定められている範囲内の精度で開発・販売しているので、大きな誤差が出ることはありません。
また、予測式体温計の精度は上がってきており、予測式でも十分正確な数値が出ます。
- 「Japanese Industrial Standards」の略
- 日本における産業製品の国家規格
- 2019年に「日本工業規格」から「日本産業規格」に変更
実測式で正しい測定ができていれば、予測式でも誤差の少ない結果が出るはずです。
予測式体温計で大きな誤差が出た場合は、実測式での測定方法を見直しましょう。
体温計予測式は実測式の正確さが重要!平熱を要確認!
あなたは日本人の平熱の平均は36.89℃と高めなのを知っていますか?
予測式体温計の数値が高いと感じる原因は、実測式の測り方が正しくないため、平熱が低めに出てしまったことが考えられます。
ここでは実測式の正しい測り方を説明しています。
今一度、あなたの平熱を確認してみましょう。
実測式の正しい測り方はポイントが3つ!
実測式で正確な数値を出すために、以下のポイントを抑えて検温しましょう。
検温のポイント
- 飲食、入浴、運動などの後や外からの入室後30分は検温に適しない
- 測定部位の汗を拭き、しっかり閉めて平衡温にする
- 早めに体温計を取り出さず、10分以上じっと待つ
正しい測定方法
汗をかいている場合は体温計に熱が正確に伝わりにくくなるので、きれいに拭きましょう。
体温計を下から少し押し上げるようにして当て、わきをしっかり閉めます。
引用 オムロン
予測式は時間が短縮できとても便利ですが、基準となる平熱が違っていると、正しい検温値が出ているのに精度に疑問をもってしまいます。
平熱の確認方法は1日4回がおすすめ!
引用 テルモ体温研究所
そもそも平熱は1日を通して同じ数値ではなく、時間帯によって変化します。
そのため、予測式で基準としている平熱は正確ではない可能性があります。
平熱は発熱など身体の異常を知る重要なもの。
正しい実測式の測り方で正確な平熱を知り、予測式に活かしましょう。
平熱を測定するポイント
- 起床時、午前、午後、夜の4回体温を測り、それぞれの時間帯の平熱として覚えておく
- いつも同じ測り方をする
- 体調が良い日に測る
- 1にちだけでなく、日を空けて何日間か測る
- お子さんの場合は、機嫌の良い時や寝ている間に測る
平熱って4回に分けて測るものなの!?
体温は1日のサイクルで周期しており、午前4時ごろが最も低く、午後から夕方にかけて高い状態が維持されます。
1日の体温の高低差は1℃以内ですが、体温を活用してより有効に健康管理をするならば、時間帯に分けて4回測ることをおすすめします。
その際、体温が上昇する食後や入浴後、運動の後は避けるようにしてください。
お子さんの場合は泣いた後は体温が上昇するため、機嫌の良い時や寝ているときなど、状態が安定しているときに測りましょう。
日本人は平均体温36.89℃と平熱が高め
日本人の体温の平均値(10歳~50歳)は、36.89℃±0.34℃と高めです。
あなたが37℃台で微熱だと思っているものは、日本人の平均的な体温の範囲内かもしれません。
一般的な熱の分類
36℃以下 | 低体温 |
37.5℃以上 | 発熱 |
38℃以上 | 高熱 |
もちろん個人差がありますが、健康な人の体温は36.6℃から37.2℃程度といわれています。
そんなに高いの!?じゃあ、自分の平熱が間違っているかも…
日本人の平均の平熱は高めなので、予測式の体温計で高い数値が出ても不思議ではありません。
平熱が正しく測れていない可能性があるので、正確に測定してみましょう。
体温計予測式のおすすめ3選!実測式との兼用型を紹介!
毎日の検温は予測式でいいけれど、病院行くときは実測式で測りたいわ。
予測式も実測式もどちらもメリットがあり、できれば両方用意して臨機応変に使い分けたいですよね。
両方欲しいけど、体温計は一本で十分ね。
実は体温計には、予測式と実測式の両方を兼ね備えた兼用タイプが存在するんです!
兼用タイプは予測式の測定が終わっても、そのまま測り続けると実測式に切り替わります。
ここでは、おすすめの兼用タイプの電子体温計を3つご紹介します。
体温計の購入を考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
【シチズン】電子体温計 わき専用 CTE707
予測式/実測式の検温時間 | 15秒/10分 |
測定部位 | わき下 |
オートパワーオフ機能 | あり |
特徴 | 水洗いができる |
シチズンの体温計のおすすめポイントは水洗いができることです。
体温計には水洗いが出来るものとできないものがありますが、水洗いが出来るものは衛生的で良いですね。
体温計の先端は柔らかいのでわきの下に優しくフィットし、検温が終わると電子音でお知らせしてくれます。
オートパワーオフ機能があると、消し忘れる心配がないので便利ですよね。
【テルモ】電子体温計 ET-C232P
予測式/実測式の検温時間 | 20秒/10分 |
測定部位 | わき下 |
オートパワーオフ機能 | あり |
特徴 | お知らせ音が聞き取りやすい |
テルモは日本で最初に「平衡温予測方式」の電子体温計を開発した医療機器メーカーの会社です。
この体温計は検温終了時の聞き逃しやすいお知らせ音を工夫し、聞き取りやすくしています。
【オムロン】電子体温計 MC-682
予測式/実測式の検温時間 | 15秒/10分 |
測定部位 | わき下 |
オートパワーオフ機能 | あり |
特徴 | バックライト付き |
オムロンの体温計には夜中でも検温ができるようにバックライトがついています。
他にも10回分の検温結果を日時とともに記録が出来たり、お知らせ音のON/OFFが切り替えられるなど、様々な機能がついているのでおすすめです。
まとめ
- 予測式体温計の検温値が高めに感じる理由は、実測式で測った平熱が正しく測られず、低い数値になったことが原因
- 国内で販売されている予測式体温計は誤差が±2℃と定められているので、精度は良い
- 実測式は測定部位を身体の内部と同じ温度にして、時間をかけて測ることが重要
- 平熱は1日を通して変化するので、起床時、午前、午後、夜の4回に分けて測るのがおすすめ
- シチズン、テルモ、オムロンには予測式・実測式兼用タイプの電子体温計があるのでおすすめ
予測式体温計は時間短縮にとても便利で、精度も実測式とそんしょくありません。
ただ、基にしている平熱が違っていると予測式体温計の精度に疑問をもってしまいます。
健康管理をきちんとするためにも、まずは正しい測り方で平熱に問題ないか確認しましょう。