あなたは「ノンアルコールビール」を飲んだ経験はありますか?
健康志向が高まる昨今、「健康を意識するならノンアルコールビールを」という人も多いのではないでしょうか。
一方で、健康もダイエットも気になる女性にとって聞き捨てならないこんな噂も…
ビールからノンアルコールビールに変えたのに体重が減らない!逆に太るという悲惨な結果に…
ダイエットと健康の味方だと思っていたノンアルコールビールは、本当に太る原因なのでしょうか?
ノンアルコールビールの成分について調べてみると、次のことがわかりました。
- 「太る原因になる成分」と「太りやすくなる飲み方」がある。
- 妊娠中や授乳中、運転する人はノンアルコールビールを控えたほうが良い。
ノンアルコールビールを飲むと太ると言われている理由と、太らない飲み方を解説します!
ノンアルコールビールで太る原因は飲み過ぎと食べ過ぎ
ノンアルコールビール自体は、ビールや他のお酒類に比べて、成分的に太りにくいと言えます。
ビールより太りにくいはずのノンアルコールビールで太るのは、簡単に言うと「飲み過ぎ」と「食べ過ぎ」です!
アサヒビールの商品を例に、100ml当たりの成分を比べてみましょう。
商品名 | アルコール分 (%) | エネルギー (kcal) | たんぱく質 (g) | 脂質 (g) | 炭水化物 (g) | 食塩相当量 (g) |
---|---|---|---|---|---|---|
アサヒ ドライゼロ | 0.00% | 0 | 0 | 0 | 0.4~1.4 | 0~0.04 |
アサヒ スーパードライ | 5% | 42 | 0.2~0.4 | 0 | 3.0 | 0~0.02 |
ノンアルコールビールをビールと比べると、カロリーやアルコール、たんぱく質はゼロです。
しかし、炭水化物(糖質)は0.4~1.4gほど含まれていますし、食塩に関してはビールよりも多く含まれています。
ビール1杯を我慢しても、かわりにノンアルコールビールを2~3杯飲んだら、同じだけの糖質や、より多くの塩分を摂取していることに…!
ビールをノンアルコールビールに変えたのに太ったのはこれが理由か…!
糖質や塩分がどのように身体に影響を与え、太ることに繋がるのか、具体的に見ていきましょう。
引き続き、アサヒビールのノンアルコール商品(ドライゼロ)を例にお話していきます。
ノンアルコールビールに含まれる糖質の量に注目
糖質とは、米やパンなどの炭水化物や果物やお菓子などいわゆる「甘い食べ物」のこと。
ノンアルコールビールの「アサヒドライゼロ」は、100mlあたり0.4~1.4gほどの糖質(炭水化物)が含まれています。
アルコール5%の「アサヒスーパードライ」は、100mlあたり糖質3.0g。
これらを踏まえて注意しなければならないことは以下の4つです。
- ノンアルコールビールは、カロリーオフと書かれていても、糖質はしっかり含まれている!
- 糖質も身体のエネルギーになる。つまり、太る原因になる。
- 「カロリーゼロ、糖質ゼロ」と書かれていない限り、糖質を摂取していることになる。
- ノンアルコールビール2~3杯=ビール1杯と同じ糖質摂取量。
加えてお伝えしたいことが1つ。「100mlあたりのエネルギーが0kcal」という表現はちょっとしたカラクリがあるのです…!
消費者庁が定める食品表示基準に基づき、熱量(エネルギー)及び栄養成分量が次の場合は「0」としている場合があります。
引用 アサヒビール
下記の表にあるように、少ない含有量であれば「0」と記載できるということです。
含有成分 | 含有量 |
---|---|
熱量(エネルギー) | 5kcal未満/100mlあたり |
炭水化物 | 0.5g未満/100mlあたり |
たんぱく質 | 0.5g未満/100mlあたり |
糖質 | 0.5g未満/100mlあたり |
脂質 | 0.5g未満/100mlあたり |
ナトリウム | 5mg未満/100mlあたり |
この食品表示基準は、全ての食品に適応されるので、アサヒビールも含めキリンやサントリーなどで販売しているノンアルコールビールも同じです。
ノンアルコールビールの飲み過ぎは、知らず知らずのうちに糖質もカロリーも摂取しているかもしれません…!
食事もしっかり、ノンアルコールビールもたくさん飲むという方はカロリーオーバーで太るという結果になるということですね。
塩分がもたらす身体への影響
ノンアルコールビールを飲んで太るという現象は、身体がむくんでいるという可能性があります。
塩分の摂り過ぎは「身体のむくみ」にも関係があるんです。
味の濃いもの(塩分の多いもの)を食べると、のどが渇くという経験はありませんか?
これは、体内の塩分濃度が高くなりすぎて、脳が「水分摂取して塩分濃度を元に戻そう」と指令を出しているからなんです。
水分摂取して塩分濃度が元に戻ったとき、身体は普段よりも余分な水で溢れています。
余分な水が体内から排出されず「むくみ」として現れるのです。もちろん体重にも影響します。
厚生労働省が推奨する1日あたりの食塩摂取量と、実際に摂取している食塩量には大きなズレがあります。
直近の2018年に示されたデータでは、成人女性・男性ともに基準値オーバー!
(1日あたり) | 食塩摂取量の基準値(g) | 2018年の食塩摂取量平均(g) |
---|---|---|
成人女性 | 6.5g未満 | 9.3g(+2.8g) |
成人男性 | 7.5g未満 | 11.0g(+3.5g) |
塩分の摂り過ぎは高血圧や腎臓病など多くの病気にも関係します。
普段の食事でさえ塩分過多ですから、ノンアルコールビールに含まれる塩分も気にしたいところですよね。
アサヒのノンアルコールビール「ドライゼロ」とビール「スーパードライ」で比較すると…
(100mlあたり) | 食塩相当量(g) |
---|---|
ノンアルコールビール 「ドライゼロ」 | 0~0.04 |
ビール 「スーパードライ」 | 0~0.02 |
ノンアルコールビール「ドライゼロ」の方が食塩を多く含んでいることがわかります。
たったの「0.04g」なら気にしなくていいんじゃない?
100mlあたりだと「0.04g」ですが、500ml飲んだら「0.2g」の食塩を摂取することになりますよね。
チリも積もれば山となる。普段の食事の他にノンアルコールビールで「+0.2g」の塩分を摂取、もっと飲んだら…塩分過多!
ビールは、アルコールによる利尿作用(尿を作り身体の外へ出そうとする働き)で水分が身体から排出されやすくなります。
一方、ノンアルコールビールはその名の通りアルコールゼロなので、塩分も水分も体内に留まりやすいのです。
ノンアルコールビールの飲み過ぎ(糖質と塩分過多)、食べ過ぎ(味の濃いもので食が進む)で逆に太る結果になってしまうことが分かりましたね。
ノンアルコールビールで美味しい食事と健康を両立!
ノンアルコールビール自体は美味しいし、成分的にはビールよりも健康的です。
飲み過ぎと食べ過ぎにさえ気を付ければ、ノンアルコールビールで「美味しい」と「健康」を両立させることができます!
飲み過ぎない!自分が飲んでいる量を把握する
1番良いのは、ノンアルコールビールであっても飲みすぎないことです。
健康のために、ビールからノンアルコールビールに変えているとしたら尚更です。
「ビール1杯=ノンアルコールビール2杯」と覚えておきましょう。
例えば、あなたが今まで「ビールを毎日2杯」飲んでいたとします。
これをノンアルコールビールに置き換えると「ノンアルコールビールを毎日4杯」飲むということです。
しかし、太ることや健康を意識するなら「ノンアルコールビールは3杯以下」にした方が、より良い結果になるでしょう!
毎日どのくらいの量を飲んでいるのか再確認して、「ビール1杯=ノンアルコールビール2杯」の法則に当てはめて飲み過ぎないようにしましょう♪
食べ過ぎない!飲むなら食事量を調整する
美味しいノンアルコールビールに、美味しい食事やおつまみ…つい箸が進みますよね。
前章でお話したように、ノンアルコールビールに「カロリーゼロ」と記載があっても、実際は炭水化物(糖質)が含まれています。
ノンアルコールビールで摂取する分の糖質を食事で控えることで、調整しましょう。
糖質は主食である白米や小麦といった穀類、果物、お菓子類、調味料の砂糖などの「甘い食べ物」に含まれます。
味の濃いもの(塩分の多いもの)はご飯も進むし、のども乾いてノンアルコールビールも進みます。
- 白米は少なめにする。
- ジャガイモやサツマイモなど、芋類も控えめに。
- 甘い味付けの料理は控える。あるいは薄味にする。
- 果物やお菓子は砂糖の塊。よく考えてから食べよう。
- 夜にノンアルコールビールを飲むなら、朝と昼の食事内容も控えめにしてみる。
自分が何を食べているか? どんな味付けか? 糖質はどれくらいだろう? 1日の食事量はどうなる? を考える。
飲む量も食事量も把握することで、美味しいノンアルコールビールと健康の両立ができます♪
むくみ解消♪カリウム摂取で塩分排出!
摂り過ぎた塩分により身体に水分が溜まって、むくみとして現れるのは先にご紹介したとおりです。
この水分は、身体から塩分を排出することで一緒に出ていきます。
塩分の排出を促進するのがミネラルの1つ「カリウム」!
カリウムは様々な食品に含まれていますが、ノンアルコールビールを飲みながら、食事に取り入れて欲しいおすすめの食品をご紹介します。
- 野菜類
-
ほうれん草、枝豆、にんじん、モロヘイヤ、小松菜、かぼちゃ、ブロッコリー、切干大根など。
緑黄色野菜(色の濃い野菜)にカリウムが多く含まれている。
ちなみに、この中で1番カリウムの含有量が多いのは切干大根!
- 海藻類
-
わかめ、ひじき、こんぶ、あおさ、焼きのりなど。
海藻はカロリーがほとんどないので、とてもヘルシー!
ただ、海藻を使った料理は味付けが濃いもの(塩分が多いもの)が多いので、注意が必要。
海藻サラダでドレッシング少なめにするといいかも。
ノンアルコールビールのお供にこれらの野菜や海藻を使った料理を1品でも取り入れてみてください!
日中の食事に取り入れてもよし、むくみが出てしまった時の対処法としても効果ありです♪
腎臓の病気がある方、健康診断などで腎障害を指摘された方は、カリウムの摂り過ぎに注意してください。
腎臓の病気があると、余分なカリウムが排出されず、身体にどんどん蓄積されてしまいます。
食事について自己判断はせず、主治医に相談しましょう。
ノンアルコールビールは妊娠中や運転する人もOK?
ノンアルコールビールが身体に及ぼす影響についてお話してきましたが、悪いことばかりではないです!
アルコールが苦手な人や健康のためアルコールを控えたい人にとっては、ありがたいですよね。
ノンアルコールビールは「アルコールを控えなければならない人」が飲んでも本当に大丈夫なの?
妊娠中・授乳中の人、運転する人とノンアルコールビールについて調べました。
【妊娠中・授乳中の人】ノンアルコールでも控えた方が安心
「妊娠中や授乳中はアルコール厳禁」とよく聞きますよね。
厚生労働省では、飲酒のガイドラインにおいて以下のように「妊娠中・授乳中はノーアルコール」を推奨しています。
妊娠中の飲酒は胎児の発達を阻害し、胎児性アルコール症候群を引き起こすことがある。
またアルコールは授乳中の母乳に入り、乳児の発達を阻害する。
引用 e-ヘルスネット(厚生労働省)
また母子栄養協会では、授乳中の飲酒との向き合い方について以下のように示しています。
どうしても飲みたい時にはノンアルコールビールや、ノンアルコールの梅酒やカクテルなどを上手に利用するのもいいでしょう。
引用 一般社団法人母子栄養協会
ノンアルコールビールをうまく活用して、ストレスなく妊娠期・授乳期を過ごしましょう。
しかし、注意してほしいことが「ノンアルコールビールに含まれる糖質と塩分」です。
妊娠中に主治医から以下の指摘を受けた方は、主治医に相談してください!
- 血圧が高い(妊娠高血圧など)
- 血糖値が高い(妊娠糖尿病など)
- 体重が増えすぎている など
高血圧、高血糖、体重増加の症状が悪化すると赤ちゃんに悪影響が出るかもしれません。
ノンアルコールビールの摂取は、お母さんの身体と赤ちゃんのために慎重に考えましょう。
【運転する人】アルコール0.00%なら大丈夫
ノンアルコールビールは酒税法にて「1%未満のアルコールを含む」飲料、つまり酒類ではないと定義されています。
「アルコール0.00%」の表記でない限り、「1%未満のアルコール」を含んでいる可能性があるのです。
もしも、アルコール0.00%ではないノンアルコールビールをたくさん飲んで運転した場合…
酒気帯び運転に該当するアルコール量を摂取しているかもしれません!
1番安全なのはノンアルコールビールであっても運転前は飲まない!
どうしてもノンアルコールビールを飲む場合は「アルコール0.00%」の表記を確認したり、商品情報を検索しましょう。
アサヒビールのホームページには「ノンアルコールビールを運転する前に飲んでも問題ない」旨が記載されています。
大手メーカーのキリンやサントリーでも、同様の記載を確認できました。
運転前にノンアルコールビールを飲む場合は、しっかりと「アルコール0.00%」であると確認することが大事です。
まとめ
- ノンアルコールビールで太るのは飲み過ぎと食べ過ぎが原因。
- ノンアルコールビールに含まれる糖質と塩分に要注意!
- ビール1杯=ノンアルコールビール2杯が目安。
- 食事量を控えることでノンアルコールビールで摂取する糖質とのバランスを取る。
- むくみ解消には塩分排出を促進するカリウムを含む食品を食べよう。
- 妊娠中・授乳中の人、運転する人はノンアルコールビールであっても慎重に。
健康志向の味方「ノンアルコールビール」で太る原因が、飲み過ぎ・食べ過ぎだと分かりました!
意外と多く含まれる糖質、むくみの原因となる塩分も太る要因となっていたのですね。
「カロリーゼロ」「アルコールゼロ」など健康に良さそうなキャッチフレーズは魅力的ですよね。
しかし、何事も「多過ぎる」というのは身体に悪影響を与えるということを実感します。
ノンアルコールビールをうまく活用して、健康な生活を送りましょう♪