私は動物が好きですが犬の飼育経験は0です。
近くに動物愛護センターがあるので時々動物に会いに行きます。
動物愛護センターは、保健所が行う業務の内、動物に関する業務のみを行う施設です。
近くのセンターは、犬や猫以外にうさぎや山羊などもいて、まるでミニ動物園のようです。
保護されたばかりの犬がいる事があり、そんな子たちは怯えた目をしている事も。
辛い目に遭ってきたのでしょう…胸が痛みます。
保健所に保護された犬を引き取りたいというあなた。引き取りには、さまざまな条件があります。
どんな条件があるのか見ていきます。ひとつの命を引き取りに行くのです、厳しいですよ。
犬を飼うにはどのくらいの費用がかかるのか、また、預かりボランティアの条件についても解説します!
保健所での殺処分がなくなりますように…。
保健所から犬を引き取りできる条件7つ!犬の幸せの為に
犬に限らず、生きものを飼う事は簡単ではありません。病気をする事もあるでしょうし、ご近所の迷惑になるかも知れません。
「引き取ったはいいけどやっぱり飼えない」と言って捨てられ、また保健所に保護されては意味がありません。
そういう事が起こらないよう、保健所では犬を引き取る為の条件を設けています。
県によって変わるものもありますが、主な条件は以下の通りです。
保健所から犬を引き取る為の条件7つ
- 犬を譲渡してもらう保健所がある地域に住んでいる
- 犬を飼えるだけの経済力がある
- 家族全員が引き取りに同意している
- 60歳または65歳以上の場合、飼えなくなった時に引き取り先を確保できる
- 不妊手術・去勢手術などの繁殖制限措置を取れる
- ペットを飼える住宅に住んでいる
- 譲渡前後に訪問調査や指導を受けられる
保健所から犬を引き取る主な条件7つ
7つもあるの?
なんて思われた方もいるでしょう。
引き取られた犬が幸せに暮らせるように、これらの条件をクリアしないといけないのです。
自分が住んでいる自治体の保健所でのみ、犬を引き取る事ができます。
隣の県などの保健所からは引き取りができないという事です。
犬に限らず、生きものを飼うには、それなりの経済力がないといけません。
餌やワクチンなどの費用を出せる人でないと、犬を飼う事はできません。
犬を引き取る事に家族全員が同意していないといけません。同意書が必要な場合もあります。
家族全員から望まれて引き取られた子は、きっと大切にしてもらえるでしょう!
引き取り希望者が高齢の場合、犬を遺して亡くなったり、突然入院したりして飼えなくなる事も考えておかないといけません。
万が一飼えなくなった場合に備えて、引き続き飼ってくれる人を確保しておく必要があります。
18歳以上、20歳以上など、引き取り希望者が成人している事を条件にしている所もあります。
これ以上保護犬を増やさない為に、繁殖制限措置を求められます。
犬を引き取ってから措置をして報告書を提出する場合と、保健所で措置を受けた犬を引き取る場合があります。
ペット不可の集合住宅など、ペットを飼えないお家に住んでいては、犬を引き取る事はできません。
犬を引き渡しても大丈夫か、飼育環境を確認する為に、担当の人が引き取り希望者のお家を訪問する事があります。
また、引き取り後に訪問を受ける事もあります。
これらの条件をクリアしても、譲渡を受けられない事もあります。
希望する犬との相性が良くないと判断された場合や、多くの先住犬がいる場合などです。
保健所から犬を引き取る手順や必要なものを解説
保健所から犬を引き取りたいけれど、何をすればいいのか分からない
そういう人の為に、犬を引き取る手順や引き取りの際に必要なものを解説します。
保健所から犬を引き取る主な手順5ステップ
保険所から犬を引き取る手順は県や市町村によって異なりますが、主な手順は次の5つです。
保健所で譲渡の申し込み受付をします。この時点で手順を確認しておくと良いでしょう。
犬を引き取る為の書類に記入し、書類審査を受けます。
書類審査が通ったら講習を受け、犬の飼い方や犬に関する法律などを勉強します。
保健所まで行かなくても、リモートで受講できる所もありますよ!
保健所で実際に犬と対面し、引き取りたい犬を選びます。
引き取りたい犬を希望する人が他にいなければ譲渡が決定します。
譲渡決定後に、訪問調査を受ける場合があります。また、1~2週間のトライアル期間が設けられる場合もあります。
問題がなければ正式に譲渡決定。あなたはその子の家族です。おめでとうございます!
保健所から犬を引き取る時に必要なもの
引き取りの際に必要なものは県によって異なりますが、主なものは下記の通りです。
事前に確認しておくと良いでしょう。
犬の引き取りに関する書類に署名や捺印が必要な場合がありますので筆記具や印鑑を持参しましょう。
引き取った犬をそのまま抱っこして連れて帰るのは危険!
まだあなたに慣れていない犬を怖がらせてしまったり、途中で逃げられたりする恐れがあります。
犬を安全に連れて帰れるよう、ケージやペットキャリーを持参します。
リードやペットシートなども用意しておくと安心です。
県によって引き取りの時に費用が必要な場合がありますので、事前に確認しましょう。
費用については「保健所から犬を引き取る料金!他にもお金がかかる!?」で紹介していますのでこちらも合わせてご覧下さい。
保健所から犬を引き取る料金!他にもお金がかかる!?
引き取りが正式に決定し、いよいよ引き取り当日。引き取りにお金はかかるのでしょうか。
引き取りの料金は、県や市町村によって異なります。事前に確認して覚えておきましょう。
また、犬を飼う為にどのくらいお金が必要なのかも合わせて見ていきましょう。
引き取りの料金は県や市町村によって異なる
保健所から犬を引き取る事自体は無料の所もありますが、予防接種や不妊去勢手術などの料金が必要な場合があります。
- 和歌山県の場合
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狂犬病予防注射を接種していますので注射代2,700円が必要です。
(参考 和歌山県HP)
- 愛知県の場合
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センターで不妊去勢手術を実施した犬猫 1頭につき9,000円
センターで不妊去勢手術を実施していない犬猫 1頭につき5,000円
(参考 愛知県HP)
- 福島県の場合
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譲渡手数料(1頭につき4,000円)がかかります。譲渡手数料は福島県収入証紙で納めていただきます。
(参考 福島県HP)
- 福島市の場合
-
狂犬病予防法に基づく登録が必要です。(登録手数料3,000円)
(参考 福島市HP)
県と市でも違う場合があるのですね!
犬を飼うのはお金がかかる
保健所から犬を引き取っておしまいではありません。その後、家族として生活していく上でお金が必要です。
狂犬病予防法第五条
犬の所有者(所有者以外の者が管理する場合には、その者。以下同じ。)は、その犬について、厚生労働省令の定めるところにより、狂犬病の予防注射を毎年一回受けさせなければならない。
犬を飼う人には、狂犬病ワクチンの接種が義務付けられています。ワクチンの料金は3,000~4,000円です。
また、狂犬病ワクチン以外にも、コアワクチン、ノンコアワクチンと呼ばれるものがあります。
コアワクチンは犬ジステンパーウイルスなど、感染すると重症化や死亡のリスクが高い病気の為、強く接種が推奨されているワクチンです。
ノンコアワクチンは犬パラインフルエンザなど。コアワクチンの感染症より危険性は低いですが多頭飼いの場合などは接種推奨です。
コアワクチンやノンコアワクチンは、混合ワクチンを選ぶと1度の接種で済ませられます。
混合されているワクチンの数により料金は異なります。だいたい3,000~10,000円くらいです。
ワクチンの接種証明がないと利用できないドッグカフェやペットホテルもありますよ!
狂犬病予防法第四条
犬の所有者は、犬を取得した日(生後九十日以内の犬を取得した場合にあつては、生後九十日を経過した日)から三十日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市町村長(特別区にあつては、区長。以下同じ。)に犬の登録を申請しなければならない。
犬を飼う人は、住んでいる市町村に犬を登録する義務があります。登録料は1頭につき約3,000円です。
保健所から犬を引き取る場合、登録手続きも一緒にできる場合がありますのでしておくといいですね。
引っ越した際の登録の変更は無料ですが、手続きには登録した市町村で交付される犬鑑札が必要です。
犬鑑札がない場合は再発行が必要となり、1,600円程度の再発行手数料がかかります。
犬の登録は義務です。登録をしないまま飼っていると200,000円以下の罰金が課せられます!
ドッグフードやおやつなど、犬の食費は月5,000円前後。犬種にもよりますので、大型犬の場合は年間で100,000円を超える事も。
オーガニックなど、こだわりのドッグフードを選ぶとさらに高くなります。
家でシャンプーをするだけならシャンプー代だけで済みますが、トイプードルなど、毛が伸び続ける犬種は毎月のトリミングが必要です。
トリミング1回の料金は、だいたい3,000円~10,000円。大きな犬ほど高くなります。
犬がノミやダニに寄生されてしまうと病気になる危険性があるので、しっかり予防しましょう。
犬の体重によって薬の量が変わるので、大きな犬ほど高くなります。年間10,000~25,000円くらいになるでしょう。
これら以外にも、ペットシーツなどの消耗品やペット保険、病気になった時の治療費など、犬を飼うにはお金がかかります。
犬種にもよりますが、年間300,000~500,000円くらい必要になります。
「経済力」が引き取りの条件にある理由が分かりますね!
保健所の犬を預かりたい!預かりボランティアの条件
すでに犬を飼っていてこれ以上は飼えないけれど、1匹でも多くの保護犬に飼い主が見つかるよう何かできないかな?
年齢的に今から犬を飼うのは難しいけれど一時的なら…
というあなた。保護犬を一時的に預かるボランティアがありますよ。
預かりボランティアの元で暮らす事は保護犬の為にとても大切です!
預かりボランティアの条件5つ
- ペットを飼える住宅に住んでいる
- 家族全員がボランティア活動に同意している
- 犬の飼育経験がある
- 現在犬を飼っている場合はワクチン接種を行っている事
- 預かった犬を病院へ連れて行ける事
預かりボランティアになる為の主な条件5つ
預かりボランティアにも、引き取りと同様に条件があります。
引き取りの条件と同じですね。当然の事ですが、ペット不可の住宅では犬を預かることはできません。
こちらも引き取りの条件と同じです。家族全員で預かった犬を迎えてあげましょう。
預かりボランティアには、犬の性質をよく知り、病気などトラブルが起こった時の対処法を分かっている事が求められます。
飼育経験がなくても保健所から犬を引き取る事はできますが、飼育経験がないと預かりボランティアはできません。
現在犬を飼っている場合、預かった犬に病気を移してしまう恐れがあります。逆の場合もあります。
飼っている犬と預かった犬、双方の為に、ワクチン接種が必要です。
定期的な検診や犬の具合が悪くなった時には、病院へ連れて行かなければなりません。
これらの条件をクリアした上で講習を受け、預かりボランティアとなる事ができます。
保護犬が家族を見つけるお手伝いの始まりです!
預かりボランティアの役割とは
何らかの理由で保健所にやって来た保護犬。人間を恐れる子は多くいます。あまりにも怖がったり威嚇したりする子だと、貰い手が見つかりにくい事も。
預かりボランティアによって人間との生活に慣れる事で飼い主を見つけやすくなります。
「人間は怖くない、人間と生活すると安心できる」と、保護犬に知ってもらう事が大切なのです。
預かりボランティアは保健所以外でも求められている
保健所や動物愛護センター以外にも、保護犬に家族を探している団体はたくさんあります。
そういった団体でも、預かりボランティアは募集されています。
預かりボランティアをしたいけれど保健所が家から遠いというあなた。
近くの動物保護団体でのボランティア活動を検討してみるのもいいですね。
まとめ
- 保健所から犬を引き取るには経済力や家族全員の同意など、7つの条件がある
- 保健所から犬を引き取る時にかかる料金は県や市町村によって異なる
- 保健所から犬を引き取った後にも、ワクチンや毎日の餌代など、犬を飼うにはお金がかかる
- 狂犬病予防ワクチンや市町村への登録など、犬を飼う人に法律で義務付けられている事項がある
- 犬を飼う事ができない人には、預かりボランティアとして一時的に犬を飼育するという道もある
- 預かりボランティアになるには犬の飼育経験や犬を病院へ連れていける事などの条件がある
保健所に保護された犬は、引き取り手が見つからないと殺処分されてしまいます。
その数は年々減ってきていますが、それでも年間数千匹の犬たちが命を落としています。
すべての保護犬に、家族が見つかる事を願ってやみません。