揚げ物や炒め物など、料理に必要不可欠な油。太るからできるだけ油を抑えたい!と思ったことはありませんか?
油は取りすぎると健康に悪影響を及ぼしますが、私たちが活動するための重要なエネルギー源になります。
スーパーで買える油でも、ラベルに表示されている4つのポイントを意識するだけで、健康で安全な油を選ぶことができます。
- コレステロール値が低いもの
- 飽和脂肪酸が少ないもの、不飽和脂肪酸を含むもの
- 遺伝子組換えでないもの
- 国内製造の油は原材料が国産のもの
今回はスーパーで買える油に注目して、安全な油を買うためのポイントを詳しくまとめました。
健康に良い不飽和脂肪酸のさらに詳しい説明や、スーパーで買える健康と美容におすすめの安全な油も紹介していますので、ぜひご覧ください。
スーパーで買える安全な油で注意したい4つのこと!
普段スーパーで油を買う時、何を意識して選んでいますか?
私の場合は、油の容量が多く手ごろな値段のものを購入していましたが…
たくさん使えるのは良いけれど、健康面が心配!
油は体に良くないと言いますが、毎日の料理には欠かせない物。
健康のことを考えると、安全な油を使った方が良いですよね。
でも、スーパーで買える油は種類が多くて悩んじゃう
スーパーで買える安全な油の選び方のポイントを4つにまとめました。
ポイント | 理由 |
---|---|
コレステロール値が低いもの | 数値が高いと動脈硬化になりやすい |
飽和脂肪酸が少ない、または不飽和脂肪酸を含むもの | コレステロールの増減に関係する |
遺伝子組換えでないもの | 組換えされているものは、環境と人体を害する可能性がある |
国内製造という言葉に注意 | 製造は国内で原材料は国外、ほとんどが遺伝子組換え |
どれも健康的で安全な油かどうかの判断材料になります。それぞれの言葉の意味と効果を詳しく見ていきましょう!
【コレステロール】体内に重要な3つの役割を担う
数値が高いと病気になりやすくなるコレステロールですが、そもそもコレステロールとは何でしょうか?
コレステロールは脂質という栄養素の一種です
コレステロールは体内で3つの重要な役割を担っており、人間にはなくてはならないものです。
- 脂肪の消化吸収
- 細胞膜の材料
- 性ホルモンの材料
コレステロールにはLDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールがありますが、どちらも体には必要なもの。
ただ、悪玉コレステロールは増えすぎると健康に支障をきたすので、注意が必要です。
1.コレステロールは脂肪の消化吸収を助ける
コレステロールは胆汁のはたらきを助ける材料になります。
胆汁(たんじゅう)は、肝臓で作られる消化液で、脂肪の消化を助け、腸への吸収を促すはたらきがあります。
2.コレステロールは人体の細胞膜の材料になる
人間の体は約60兆個の細胞から成り立っており、そのひとつずつを形作る細胞膜の材料にもコレステロールは含まれています。
3.コレステロールは性ホルモンの原料になる
コレステロールは男性ホルモンや女性ホルモンなど、体の様々なはたらきを調節するホルモンの材料になります。
コレステロールは体に良い働きをするのね!じゃあ、なぜ良いイメージがないの?
コレステロールは脂質の一種で、水に溶けにくい=血液に溶けにくい性質を持っています。
コレステロールが増えると血管の壁のすきまに血液中のコレステロールが入り込み、壁が狭く硬くなっていきます。これを動脈硬化といいます。
動脈硬化は血液の流れが悪くなり、様々な健康障害を引き起こす原因に。
そのため、コレステロールには良くないイメージがついているのです。
コレステロールの摂取基準は決まっていませんが、病気を防ぐ目的としては1日200mg未満の摂取が推奨されています。
卵類、魚介類、肉類、菓子類にも多く含まれているため、コレステロールは普通に食事をしているだけで取りすぎてしまう恐れがあるのです。
動脈硬化を防ぐためにも、コレステロール値が低い油にした方が良いでしょう。
【飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸】それぞれ違う働きをする
油は健康に悪いからと取るのを控えがちですが、油の主成分である脂肪酸は体が活動する上で、なくてはならないエネルギー源です。
脂肪酸とは?
脂質の主な構成要素であり、人の健康に不可欠な存在です。
- 体のエネルギー源となる
- ビタミンの吸収を促す
- 体の細胞膜や核膜、ホルモンなどを構成する
- 寒さや物体との衝突など、外部からの刺激から保護する
脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の大きく2つに分けられており、それぞれに役割があります。
- 【飽和脂肪酸】
-
- 体の重要なエネルギー源になる
- 主に肉やバター、ラードに含まれる
- 過剰に摂取するとコレステロールが増え、動脈硬化などのリスクが高まる
- 【不飽和脂肪酸】
-
- 主に植物油や魚に含まれる
- コレステロールの数値を下げて、中性脂肪を減らす
- 血液をサラサラにして、不整脈や動脈硬化を防止する
飽和脂肪酸が少ないものや不飽和脂肪酸が含まれているものが、健康に良い安全な油といえます。
【遺伝子組換え】生じる不安要素とメリット
よく野菜などにも用いられる「遺伝子組換え」という言葉。これはどういう意味でしょうか?
別々の細胞の有用な遺伝子を組み込み、新しい性質を持たすことを言います
遺伝子組換えについては長年研究されていますが、絶対に安全だと断言している情報がありません。
遺伝子組換えの油は栄養価が高まるなどのメリットがある一方、健康や環境に害はないという保証がないため、不安に思う方も多いでしょう。
遺伝子組換えによる安全性に不安がある方は、組換えされていないものをおすすめします。
遺伝子組換えによる2つの不安要素
遺伝子組換えのものは厚生労働省により厳しい審査が行われていますが、環境や人体への影響は全くないと証明されていないのが現状です。
【1.従来の環境に与える影響】
例えば、生産性を上げるために繁殖力を強化した遺伝子の作物の花粉が、何らかの形で他の植物に組み込まれたとします。
意図せず遺伝子組み換えが行われたことにより、他の植物の繁殖を阻害する恐れがあります。
従来の生態系を乱してしまう可能性があるのです。
【2.人体への影響】
遺伝子組換えについては長い間研究がされています。
人体に害を与える可能性は極めて低いとされながらも、皆無ではありません。
研究者の中には、今後もアレルギーなどの健康被害の検証が必要だという意見を唱える人もいます。
遺伝子組換えの情報を調べると、環境や健康に対する被害は全くないとは証明できておらず、安全な油とは言い切れません。
しかし、現在市販されている油は、原材料が遺伝子組換えのものが多く扱われています。
スーパーで買える油の中でも大豆、トウモロコシ、菜種(なたね)、綿実(めんじつ)が原材料の場合、遺伝子組換えのものがほとんどです。
不安要素があるにも関わらず、市販の油で遺伝子組換えが扱われているのは何故なのか?
それは、不安要素がある一方、メリットが多く存在するからです。
遺伝子組換えによるメリット
遺伝子組換えは、昔から行われていた作物同士を掛け合わせる「品種改良」よりも効率的に作物の性質を変えることができます。
作物の収穫量が増えたり、農薬の使用量を減らせたりと遺伝子組換えはメリットが多く、世界的に導入が進んでいます。
- 作物の収穫量が増える
- 作物に対する農薬や化学肥料、水の使用量が減る
- 栽培が難しい環境でも生育ができる
- 栄養素が強化される
安全な油にするか、栄養価が高い油にするか悩んじゃう!
遺伝子組換えの作物は人体に害はないという意見がある一方、世界では免疫疾患などの健康被害が出ているという情報もあるので注意が必要です。
【国内製造】原材料が遺伝子組換えの可能性がある
油にはよく「国内製造」という言葉が記載されています。
国内なら安心かしら?
「国内製造」は、製造は国内ですが、原材料は国外の遺伝子組換えのものを使っている場合がほとんど。
「原料も国産が良い」「遺伝子組み換えは不安」という方はこめ油を選ぶか、食品表示をよく確認して安全な油を使いましょう。
こめ油の原材料となる米ぬかは、ほとんどが国産です。
スーパーで買える油の選び方は不飽和脂肪酸に注目!
健康に良い油はオーガニックのお店にあるイメージだなぁ
一般的なスーパーで買える油でも、栄養成分表示に注目すれば、体に良い油が手に入ります。
油の栄養成分表示に不飽和脂肪酸のオメガ成分である「α-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸」があれば、動脈硬化防止などの効果が期待できるのです。
スーパーで買える油では、オリーブオイル、ごま油、えごま油などに不飽和脂肪酸が含まれています。
不飽和脂肪酸の3つの成分と効果
油に不飽和脂肪酸が含まれていると、健康的で安全な油と言えます。
不飽和脂肪酸は大きく3つのオメガ系列に分けられ、含まれている油の種類によって効果がそれぞれ違います。
不飽和脂肪酸に含まれるオメガ系列の特徴をまとめてみましたので、スーパーで買える油の選び方に、ぜひ参考にしてくだい!
成分 | 含まれる油 | 特徴 | お勧め 料理 |
---|---|---|---|
オメガ3系 (α-リノレン酸) | ・魚由来の油 ・エゴマ油 ・アマニ油 | 体内で合成できない必須脂肪酸を含む 酸化と加熱に弱いため、調理に向かない | マリネ ドレッシング |
オメガ6系 (リノール酸) | ・ゴマ油 ・コーン油 ・菜種油 | 体にいいと言われている 摂取しすぎるとガンや動脈効果の恐れがある | 一般の植物油や食品で摂取可能 |
オメガ9系 (オレイン酸) | ・オリーブオイル ・菜種油 ・アボガドオイル | 取りすぎによる悪影響は少ない 酸化と加熱に強く、調理に向いている | 風味を楽しむ生食におすすめ |
スーパーで買える油選びの基準として、「オメガ系列」を意識すると良いことがわかりました。
特にオメガ3系は不飽和脂肪酸の中でも優秀なはたらきをしてくれます
不飽和脂肪酸に含まれるオメガ3系には、必須脂肪酸が3つあります。
体にとって重要な役割を持つのに、体内で作ることのできない脂肪酸を必須脂肪酸といい、食事から取る必要があります。
α-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(イ͡コサペンタエン酸)の3つの必須脂肪酸はどれも健康に良いはたらきをします。
種類 | 効果 |
---|---|
αリノレン酸 (植物由来) | アレルギー原因物質を要請 血圧を下げる |
DHA (魚類などの由来) | 脳神経を活性化させ、記憶力を向上させる |
EPA | 生活習慣病の予防、血糖値の改善、ダイエット効果、筋肉痛の緩和 |
魚を食べると頭が良くなると言われているのは、体内で作れないDHAがあるからなのね
油には様々な種類と効果があるので、目的に合った選び方が重要です。
スーパーで買えるおすすめの油2選!美容や健康に良し!
油には様々な種類と効果があり、健康だけでなく美容にも効果的な油があります。
私の場合、健康と美容に使うものは簡単に手に入れられて、値段も抑えられたものでないと長続きしません!
近所のスーパーで買える、健康と美容を意識したおすすめの油を2つご紹介します。
- 日清の有機えごま油
- AJINOMOTO(味の素)のオリーブオイルエクストラバージン
どちらも不飽和脂肪酸が含まれており、生活習慣病予防や老化防止の効果があるのでおすすめです。
生活習慣病とは、糖尿病、高血圧、脂質異常症、心臓病など。
【日清】有機えごま油
不飽和脂肪酸の1つであるオメガ3系が含まれている「日清 えごま油」。
えごま油にはα-リノレン酸が多く含まれており、生活習慣病やアレルギー予防に効果があります。
1日スプーン1杯分を摂取するだけで、中性脂肪を減らすはたらきがあり、ダイエットにおすすめです!
熱に弱いので加熱調理には使用せず、サラダや豆腐にかけましょう。
油は熱、光、空気に触れると酸化します。不飽和脂肪酸の中でもオメガ3系は酸化しやすいので、なるべく短期間で使い切りましょう。
【AJINOMOTO】オリーブオイルエクストラバージン
味の素(AJINOMOTO)のオリーブオイルもスーパーで買える油のひとつ。
オリーブオイルの主成分のオレイン酸は、コレステロールの数値を抑えるため、動脈硬化防止になります。
オリーブオイルには老化防止となる抗酸化成分のポリフェノールや抗酸化ビタミンのβ-カロテン、ビタミンEが含まれており、美容効果もあります。
オリーブオイルの摂取量もえごま油と同じく1日スプーン1杯分の摂取でOK。
無理なくアンチエイジングができる!
アンチエイジングとは、加齢による体の変化(老化)をケアすることです。
オリーブオイルは酸化に強いとはいえ、開封後空気に触れると酸化が進みます。
1~2か月で使い切れる量のオイルを購入しましょう。
スーパーで買える油はこの2つがおすすめです。次に油を買う時は、ぜひ候補に入れてみてくださいね♪
まとめ
- スーパーで安全な油を買う場合は、コレステロール値、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸、遺伝子組換え、国内製造という4つの点に注意しよう
- 油のコレステロール値が低い、不飽和脂肪酸を含む油は動脈硬化の防止になるが、原材料が遺伝子組換えの油は安全とは言えない
- 不飽和脂肪酸はオメガ3系、6系、9系の3つに分けられ、それぞれ含まれている油や効果が違う
- 特にオメガ3系は体内で作れない分、食事からとる必要があるが、脳神経の活性化など良いはたらきをする
- スーパーで買える油の中には、健康と美容の両方に良い油があるが、酸化しやすいので早めに使い切ろう
オーガニックスーパーに行かずとも、一般的なスーパーで買える安全な油をご紹介しました!
毎日使うものだからこそ、健康に良いものを使いたいですよね。
目的に合った油を使って、健康と美容に磨きをかけましょう!