冬の重労働、雪かき。
朝から雪かきしないと車が出せなくなったり、溶けた雪が凍結して危険だったりして、たくさん雪が降る地域では不可欠ですよね。
雪かきのためにいつもより早起きしたり、集めた重い雪を運んだり…そのせいで腰痛になる方も多いのだとか。
そして、雪かきはご近所さんとのトラブルになることもありうるのです。
毎日行なっている方も、たまにする方も、ケースはさまざまでしょうが、いずれにせよトラブルは辛いです。
しかも、法律違反になってしまう場合もあるのだとか!
この記事では、雪かきで起こりがちなトラブルとその予防についてまとめてみました。
除雪機や除雪サービスについても紹介していますので、あなたの参考になれば幸いです。
雪かきトラブルに注意!ご近所さんとの間にも起こる
まず、この章では雪かきで起こりうるトラブルをご紹介していきます。
あなた自身にも、ご近所さんとの間にも起こりうるトラブルの種類は以下の4つです。
よその敷地に雪を捨てる
雪かきによるご近所トラブルの中で多いのが、よその敷地に雪を捨てること。
雪かきで集めた雪は、不要なもの。ゴミのようなものです。
それを庭や家の前に捨てられたら、誰だって怒りますよね。
私はマンション住まいなのですが、ときどきお隣のワンちゃんの毛のかたまりがうちのベランダに…
お隣さんは隔壁板の下の隙間に物を置いたりして、毛が飛んでこないように気を使ってくれているのですが、それでも少しは飛んできてしまいます。
話がそれてしまいましたが、人の家に雪を捨てることは、これのもっと大規模なものと考えていいのではないでしょうか。
よそに捨てちゃ、だめです。
共用部分の雪かきをしない
自分の家の前だけ雪かきをして、道路など、共用部分の雪かきは人任せ。
これでは共用部分まできちんと雪かきをしている人から文句を言われても仕方ありませんね。
協力しあう気持ち、大切です。
雪かき・雪おろし中の事故
雪かき中に滑って転倒すると、非常に危険です。
屋根の上に積もった雪を取り除く雪下ろしも、屋根から転落するなどの事故が発生しています。
命に関わるトラブルです!
腰を痛めてしまう
スコップで何度も重い雪を運ぶ雪かき。
正しい方法で行わないと、腰を痛めてしまいます。
動けなくなったら、明日の雪かきもできなくなってしまいます!
雪かきによるトラブル防止方法まとめ
ここでは、雪かきによるトラブルを防止する方法をご紹介します。
ご近所トラブルや事故、腰痛を防ぐ方法に加え、除雪機や除雪サービスについてもまとめました。
正しく雪を捨てる
雪かきで集めた雪は自宅の敷地内に集めましょう。
溶けやすいように、日当たりが良い所に置ければ良いですね。
雪が溶けた時、お隣に流れて行かない所に集める事も大切です。
自宅以外の場所に捨てる場合は自治体が設置している排雪場に運びましょう。
尚、お湯をかけて雪を溶かすと、溶けた雪がすぐカチカチに凍ってしまい、滑って危険なのでだめですよ!
ご近所さんと親しくなっておく
昔と比べてご近所付き合いが希薄になってきている所もありますが、ぜひ親しくなっておきましょう。
ご近所さんと親しくなっておけば、雪かきの境界や捨てる場所など、相談もしやすくなります。
相談してお互い納得できるやり方で雪かきをすればトラブルを避けられるのではないでしょうか。
これは雪かきだけに限った事ではないですよね。
自治体の行事や溝掃除などで起こりうるトラブルも、あらかじめ相談してルールを確認しておく事で回避できるかも知れません。
と言いつつ、私はお隣さんの名前も知らなかったりしますが…汗
ご近所トラブルになったら周囲に相談
自分が気を付けていてもトラブルになってしまう事もあります。
もしトラブルになってしまった時は、自治会長さんやマンションの管理人さん、役所や警察署など第三者に相談する事をおすすめします。
自分たちだけで解決しようとすると、余計にこんがらがってしまうことも…。
雪かきのトラブルから殺人事件に至った事もあるらしいので、注意しましょう。
雪かき・雪下ろし中の事故を防ぐ為の5か条
雪かき・雪下ろしは安全第一で臨みましょう。
ここでは雪下ろし中の事故防止を中心にまとめています。
雪下ろしをしていて、万が一事故があった場合、一人だと気付いてもらえない恐れがあります。
二人以上で行ないましょう。もし一人でしなければいけない場合は、ご近所さんに声をかけておきましょう。
ヘルメットや命綱を使用する事で、事故を未然に防ぎます。
正しく使用して、命を守りましょう。
雪下ろしをする時、はしごを簡単に立てかけるだけだと、倒れてしまう恐れがあります。
ロープや固定器具などを使ってしっかり固定しましょう。
また、はしごから屋根、屋根からはしごへ移動する時の転落事故も多いそうです。充分注意しましょう。
万が一転落した時、下に雪があれば衝撃を軽くする事ができます。
雪下ろしをする時は先に雪かきをしないようにしましょう。
雪かきや雪下ろしの途中、もしなんらかの理由で動けなくなった時、誰にも気づいてもらえなかったら…
雪の中、何時間も取り残されるだけで命に関わります。
何かあった時すぐに連絡できるよう、携帯電話やスマホを持っておきましょう。
腰を痛めない為の5か条
雪かきをして腰を痛めてしまったら大変です。
腰痛は一度なってしまうと長年苦しむ事も…
そうならないよう、しっかり予防しましょう!
まずは準備運動をして身体を温めましょう。
スポーツする前に準備運動をするのと同じですね。
雪かきはハードですから、いきなり始めると身体に負担となってしまいます。
スコップを持つと、多くの人は右手で持ち手、左手で下の部分を持つと思います(右利きの人の場合)。
この時、左手を逆手(手のひらが上を向く)に持つ人が多いでしょう。
鉄棒で逆上がりをする時の持ち方ですね。
しかし、この持ち方は腰や肩への負担が大きく、腰を痛める危険が!
順手(手のひらが下を向く)に持つ方が、負担は軽くなるのだそうです。
重いものを運ぶ時、腰が高いまま持ち上げると腰には大きな負担が!
私も学生の頃、ボールが入ったコンテナを運ぶ時に、膝を曲げずに持ち上げようとして怒られた事があります…
雪をすくう時も、脚を大きく広げ、しっかり腰を落としてすくいます。
腕だけではなく、身体全体を使って雪かきをしましょう。
すくった雪を捨てる時に身体をひねると腰に負担がかかります。
ひねらずに身体ごと捨てる方向に向いて捨てましょう。
雪かきを早く終えたいからと、無理をして一度にたくさんの雪を運ぼうとすると腰に負担がかかってしまいます。
少しずつ運びましょう。
除雪機を使う
除雪機はその名の通り、除雪できる機械です。
たくさん雪が降る地域では、スコップだけでは追いつかない場合もあるでしょう。
除雪機は、雪かきを楽にしてくれ、腰痛防止にもなります!
ただし、業務用の大きな除雪者などは免許が必要です。
除雪機の種類ごとに特徴をまとめてみました。
降雪量や面積などによって選ぶと良いでしょう。
除雪方式は、ローダー式(雪を押して除雪するタイプ)とロータリー式(雪を飛ばして除雪するタイプ)
雪を飛ばすロータリー式は、向きに注意です。
お隣さんの敷地や人に向けて飛ばしてしまうと、大きなトラブルのもとに…
- ローダー式(ブレード式ともいう)
-
雪を押して除雪する除雪機です。
- 手軽に除雪できる、小型機種に多い
- 深い雪、固く踏み固められた雪には不向き
- ロータリー式
-
雪を飛ばして除雪する除雪機です。
- 豪雪地帯向き
- 水を含んだ雪には不向き
動力は、エンジン式や電動式、ハイブリッド式
- エンジン式(ガソリン)
-
- パワフル、ディーゼルタイプよりは騒音が小さい
- 燃費が良くない、定期的なメンテナンスが必要
- エンジン式(ディーゼル)
-
- ガソリンタイプよりもパワフル
- 重い、騒音が大きい、定期的なメンテナンスが必要
- 電動式
-
- メンテナンスいらずでコンパクト
- 豪雪地ではパワー不足かも
- ハイブリッド式
-
- 操作しやすい、一番パワフル
- 本体価格が高い、定期的なメンテナンスが必要、サイズが大きい
除雪機の耐久年数は、だいたい10数年だそうです。
高いものは、車が買えるくらいの値段のものもありますので、慎重に選びたいですね。
除雪サービスを利用する
体調が良くなかったり、雪がたくさん降りすぎたりしてお手上げな場合は、除雪サービスを利用するのも一つの手です。
【相場】
雪かき:1時間あたり2,000〜5,000円程度
雪下ろし:1時間あたり4,000〜10,000円程度
地域や人数、手で雪かきを行なうのか機械を使うのかなどにより料金は変わってきます。
地域によっては、除雪サービスの費用を助成してくれる所もありますので、サービスの利用を検討している場合は一度自治体に確認してみましょう。
【例:新潟県上越市】
一世帯41,000円まで、多雪区域は65,600円まで
(高齢者のみの世帯、生活保護を受給していない事など、条件があります)
【例:秋田県大館市】
雪下ろし及び下ろした雪の排除作業を市内の業者へ委託した場合の費用の2分の1を助成する。
(上限3万円、申請はシーズン中1回、65歳以上の高齢者だけで一戸建ての持ち家に居住している事など、条件があります)
また、除雪が困難な世帯に限り、自治体が除雪をしてくれる所もあります。
【例:北海道小樽市】
(シーズン中3回まで、代わりに除雪をしてくれる親族や知人がいない事など、条件があります)
雪かきトラブルに関する法律4つ!罪にならないよう注意
雪かきで集めた雪は、正しく捨てないとトラブルを招くだけでなく罪になる可能性もあります。
どんな法律に触れるのでしょうか?
道路交通法・道路法
雪かきで集めた雪を道路に捨てると、捨てた雪が凍結して危険です。
交通事故などのトラブルの原因になりますね!
道路交通法違反になる事もあるそうで、道路法でも禁止されています。
・道路交通法第76条3号
何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。
※違反すると→3か月以下の懲役または5万円以下の罰金
・道路法第43条2号
何人も道路に関し、左に掲げる行為をしてはならない。
みだりに道路に土石、竹木等の物件をたい積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある行為をすること。
※違反すると→1年以下の懲役または50万円以下の罰金
はっきり「雪」と明記されているわけではありませんが、交通の妨げになる場合はこれらに違反している事になってしまいます。
降雪地帯では条例などで「雪」と明記している所もあります。
例:福井県道路交通法施行細則第21条3号
法第七十六条第四項第七号の規定による道路における禁止行為は、次の各号に掲げるとおりとする。
交通の妨害となるような方法で、みだりに氷雪を道路に捨て、またはたい積すること。
河川法・下水道法
雪かきで集めた雪を川に捨てると増水し、川が溢れる可能性があるそうです。
同じ理由でマンホールや排水溝に捨てる事も禁止されています。
水で溶けるのでは?と思うかも知れませんが水温が低いのでなかなか溶けません。
そこへみんなが大量に雪を捨てれば川は増水し、下水道は詰まってしまいます。
溢れて浸水してしまっては大変です。
川の中ではなく川のそばに捨てた場合、雪山ができてしまい、そこで子供が遊ぼうとして滑って冬の冷たい川に転落なんていう事もないとは限りません。
また、捨てる時に滑って川やマンホールに落ちてしまう可能性もありますので決して捨てないようにしましょう。
・河川法第29条
河川の流水等について河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為の禁止、制限又は許可
※違反すると→6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
・下水道法第44条
下水の排除を妨害した者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
雪かきがもとで法律違反になるなんて、驚きです!
交通の妨げになったりスリップして危険だったり…さらには浸水の原因にも。
トラブル回避の為だけではなく、法律に触れない為にも、雪は正しく捨てないといけませんね!
まとめ
- 雪かきで起こるトラブルは、ご近所さんとの間に起こるものや、自分の身体への危険などがある
- 集めた雪は自宅の敷地内か、定められた排雪場に捨てる
- 雪かき前には準備運動をしっかりと行い、腰を痛めないよう無理に重い雪を運ばないようにする
- ご近所さんと事前に雪かきについて相談しておく事でトラブル回避、万一トラブルになったら第三者に相談をするのがベスト
- 除雪機や除雪サービスを利用すると、自分でするより体への負担が軽くなる
- 雪かきを正しく行わないと、道路交通法や河川法・下水道法に違反してしまうこともある
雪と似たものに、落ち葉があります。
私が以前勤めていた職場の向かいのお家には、いちょうの木が生えていて、紅葉の季節になるとすごい量の落ち葉が…。
いちょうの木のお家の方も気を使ってこまめに掃除されていましたが、全部落ちるまでは仕方ないですよね。
なのに、ご近所さんの中に、集めた落ち葉をいちょうの木のお家の前に捨てる人がいたんです!
ひどいですよね!しかも葉っぱだから風でまた飛んでいくし…
もう退職して数年経つので今はどうしているのか分かりませんが、あんな事しない関係になってるといいなと思います。
もやもやを抱えて生活するのは苦しいので、トラブル回避で、気持ちよく毎日を過ごしたいですね。
この記事が、あなたのトラブル回避のお役に立てれば幸いです。
どうか、あなたがトラブルに巻き込まれる事なく雪解けの季節を迎えられますように…